潮汁って名前は知っているけれど、あれ?お吸い物と何が違うの?と疑問に思ったことがありませんか?汁の色も似ているし、作り方の違いもあやふやですよね。
ここでは潮汁とお吸い物、味噌汁との違い、潮汁を作るのに昆布がなかった時の対処法、潮汁の塩分濃度やカロリーなどを紹介します。
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潮汁とお吸い物の違いは何?味噌汁との違いは?
日本料理の汁料理には大きく分けて2種類あります。
1つ目は酒の肴として出される「吸物」です。「お吸い物」とも言います。吸物は出汁に塩や醤油、味噌などで味を付けたつゆに魚介類や肉類、野菜などの実と一緒に出されるものです。会席料理などでは2番目くらいにお椀で出てきますね。
2つ目はごはんと一緒に出される「汁物」です。汁物は汁の味付けによって名前が変わります。塩味なら「潮汁」、醤油なら「すまし汁」、味噌なら「味噌汁」と呼びます。こちらは会席料理ではお食事としてデザートの前に出てきます。
次にそれぞれを詳しく見てみましょう。
お吸い物
お吸い物で最も多いのは、昆布とかつお節でとった一番出汁に塩や醤油で味を付けたすまし仕立ての汁に魚介類や肉類の実を入れて作った吸物です。
味付けは他にも潮仕立て、味噌仕立て、薄葛仕立てなどがあります。
お吸い物の実は魚介類、肉類、野菜、豆腐、真丈、卵などいろいろあります。メインとなる食材を椀種と言い、春は白魚、夏はハモなどと旬の魚を使ったり、鶏肉、卵豆腐、真丈などを使ったりします。
椀種以外のものはつまと言い、野菜や山菜、海藻などが使われることが多いです。
そして最後に香りのよいものを少しだけのせます。これを吸口といい、柚子の皮や木の芽、生姜などを使います。
潮汁
潮汁の多くは白身魚などのクセの少ない魚介類で出汁をとって、その魚介類を実にします。味付けはシンプルに塩だけ、もしくは生臭さを消すために酒を少し入れます。
実はタイやアサリ、シジミなどがよく知られています。ひな祭りの時に作るハマグリの汁物は潮汁でしたね。
味噌汁
味噌汁は昆布や煮干し、かつお節などでとった出汁に味噌で味をつけた汁で、東京近辺では御味御付(おみおつけ)とも言いますね。会席料理などではお食事で止め椀または留め椀として味噌汁が出ることが多いです。
実には本当にいろいろなものが使われます。魚介類、肉類、野菜、加工品など家庭や地域によって様々です。
また味噌も米味噌、麦味噌、豆味噌などといろいろあるので、組み合わせ次第でいろいろな味が楽しめます。
潮汁を作るのに昆布ないときはどうする?
潮汁の作り方を見ると「昆布」が入っていることがよくありますが、本来はなくても大丈夫です!あればより美味しい潮汁が作れますが、出汁がしっかりとれれば問題はありません。
しかし、潮汁を作るのにどうしても昆布を入れたい!という場合、代わりになるものはいくつかあります。
昆布だしはうまみ成分のグルタミン酸が豊富に含まれています。なので、グルタミン酸が多く含まれているものを代用品として使えばいいのです。
昆布出汁の代用品①昆布茶
昆布茶は昆布、食塩、砂糖、調味料(アミノ酸)などで出来ています。昆布茶の昆布は干してから粉末状にしたものなので、代用品として使えそうですよね。ただし食塩が割と多く含まれるため、入れすぎないように注意が必要です。
昆布茶には玉露や梅、最近はレモンなどの入っているものもありますので、よく見て使ってくださいね。
昆布出汁の代用品②塩昆布
塩昆布は千切りにした昆布を醤油などの調味料で煮て、塩を吹かせたものです。昆布、醤油、砂糖、食塩、昆布エキス、調味料(アミノ酸)などで出来ています。
塩昆布は昆布茶と違い、醤油が入っています。本来潮汁には入りませんが、そんなに主張はしませんので、代用品としては使えるでしょう。
昆布出汁の代用品③ほんだし
ほんだしは上の2つと違い、昆布が入っていません。しかし家庭にある可能性は1番高そうですよね。
ほんだしの原材料は食塩、砂糖類(砂糖、乳糖)風味原料(かつお節粉末、かつおエキス)酵母エキス、調味料(アミノ酸)ですので、昆布ではなくかつお出汁ということになります。
しかしほんだしもアミノ酸の主成分であるグルタミン酸が入っているのでうまみという点から言えば、代用品として使うことができます。
潮汁の塩分濃度やカロリーはどのくらい?
一般的に汁の塩分濃度は0.8~1.0%が美味しいと感じます。これは人間の体液と同じくらいの濃度なので、体が受け入れやすいのかもしれません。
実際に潮汁を作ろうとして汁に食塩を入れたとしても、実や出汁から出る塩分の量は毎回違います。そのためどのくらいの食塩を汁に入れれば0.8%です、と言い切るのは難しいですよね。
その時は味見をして、「ちょっと味が薄いかな?」と感じる濃さにしてください。汁は飲んでいくうちに濃く感じていきます。最初の一口が丁度いい濃さだと、最後にはしょっぱく感じるからです。
そしてカロリーですが、
- 鯛の潮汁 ⇒1杯43キロカロリー
- アサリの潮汁 ⇒1杯14キロカロリー
- ハマグリの潮汁⇒1杯17キロカロリー
- シジミの潮汁 ⇒1杯20キロカロリー
となります。特に貝類は低カロリーなので嬉しいですよね。
ちなみに他の汁物と比較してみると、より潮汁のカロリーが低いことがわかります。
- 豆腐とわかめの味噌汁⇒1杯48キロカロリー
- 豚汁 ⇒1杯203キロカロリー
- 海老真丈の吸物 ⇒1杯65キロカロリー
- つみれ汁 ⇒1杯202キロカロリー
まとめ
潮汁はごはんと一緒に出される汁物のうち、食塩で味を整えたものです。
もし潮汁を作ろうとした時に昆布がない場合は、昆布と同じうまみ成分のグルタミン酸が入っている昆布茶、塩昆布、ほんだしを使うと美味しく作れます。
しかしどれも昆布出汁と比べると食塩が多く含まれますので、調節をしながら入れてください。潮汁の味付けは1口目は薄いかな?と思うくらいが丁度いいですよ。