レシピを見ていると「トマト缶」と「トマト」と書いてあるものがありますよね。同じトマトなのに何が違うの?と不思議に思ったことはありませんか。
今回はトマト缶と生トマトの栄養の違いや使い分け方、そしてそれを生かしたおすすめのレシピをご紹介します。
Contents
トマト缶と生トマトの栄養ってどうなの?違いは何?
「トマト缶」と「生トマト」の栄養はどのくらい違うのでしょうか?
比較してみると全てではありませんが、「トマト缶」の方が高くなります。特に栄養価が高いのがリコピン、グルタミン酸ですが、それらはトマトの品種や収穫時期と関係があります。
「トマト缶」と「生トマト」の品種の違い
売っているトマト缶をよく見るとイタリア産のものって多いですよね。
イタリアのトマトは特に日差しが強く、降水量の少ない地方での栽培が盛んなため、日本のトマトよりもリコピンが多いと言われています。
リコピンとはカロテノイドの一種で、脂溶性の赤色の色素です。抗酸化力が強いので、血糖値を下げる効果や動脈硬化の予防、肌トラブルに役立ちます。
トマトの他にはスイカやピンクグレープフルーツに含まれます。
また缶詰に使われているトマトは赤系トマトと言われる品種が多く使われています。
赤系トマト…切った時に中まで赤い。味が濃く、加熱すると旨味が増す。
加工用に向いている。品種:サンマルツァーノなど
ピンク系トマト…切ると果肉がピンク色。味が薄く、酸味が少ない。
生食に向いている。品種:(日本でたくさん流通している)桃太郎など
もともとトマトの赤い色素に多く含まれるリコピン。そのため赤系トマトはピンク系トマトよりもリコピンの量が多いので、「生トマト」よりも、「トマト缶」の方がリコピンが多いということになります。
ちなみに大玉トマトはピンク系トマトのことが多いですが、ミニトマトは赤系トマトなので、ミニトマトの方が栄養価は高いですよ。
「トマト缶」と「生トマト」の収穫時期の違い
日本で売られている生のトマトは流通上の問題で、ビニールハウスで作られることが多く、青いうちに収穫をします。
それに対して缶詰に使うイタリアのトマトは畑で完熟してから収穫・加工をします。
リコピンの他に旨味成分のグルタミン酸も多いと話しましたが、こちらは熟すにつれて増えていきます。トマトは熟成前後で10倍にも増えるので、完熟を使う「トマト缶」の方が多くなります。
グルタミン酸とはたんぱく質の中にいるアミノ酸の一種です。肉・魚、昆布、チーズ、エンドウ豆などに多く含まれていて、野菜の中ではトマトは特に多く含まれています。
脳の活動を活発にし、疲労回復などに役立ちます。
トマト缶と生トマトの使い分けは?
「トマト缶」と「生トマト」の特徴をそれぞれ見てみましょう。特徴が分かると向いている料理もわかりますよ。
「トマト缶」の特徴
トマト缶には「ホール」と「カット」があります。カットしてある方が便利だな、と思い購入する人も多いのではないでしょうか?実はこの2つにも違いがあります。
ホールトマト缶
ホールトマト缶はサンマルツァーノ種が使われていることが多いので、加熱することでさらに旨味が増します。
そしてトマトが丸ごと使われているので、果肉と種の両方が入っています。種が気になる人もいるでしょうが、種には酸味があり旨さを引き立ててくれます。
ホールトマトは煮込み料理に向いているので、トマトソースやカレー、シチューなどを作る時に用います。
カットトマト缶
カットトマト缶にはサンマルツァーノ種ではなく、果肉がしっかりしている赤系のロマーノ種が多く使われています。
大まかに種は取り除かれているので、ホールトマト缶よりも酸味が抑えられています。
そしてカットトマト缶は長時間煮込むよりも軽く煮込む料理などに向いています。トマトオムレツの具材や肉・魚などのソテーのソース、または最後にトマト缶を入れて仕上げるミネストローネなどに合います。
「生トマト」の特徴
生のトマトはそのまま食べることを想定しているので、皮が薄くて、酸味が少なく、瑞々しいところが美味しいですよね。
そのためグツグツ煮込む料理には向いていません。やはりサラダなど生で食べるのが1番美味しいです。
その他には大きめに切って、手早く仕上げる卵とトマトの炒め物やサッと火を通すスープの具なども美味しいです。
トマト缶と生トマトを使ったおすすめレシピをそれぞれご紹介!
それぞれのトマトの特徴が分かったところで「ホールトマト缶」「生トマト」のおすすめのレシピをご紹介します。
「ホールトマト缶」をつかったおすすめのレシピ
【材料】
サバ(半身) 4枚
食塩 適量
オリーブ油 大さじ1/2
にんにく 1片
オリーブ油 大さじ1
玉ねぎ 1/2個
ブロッコリー(飾り用) 適量
食塩 小さじ1
砂糖 適量
粉チーズ 小さじ2
【作り方】
- サバは半分に切り、軽く食塩を振って5分ほど置いておきます。にんにく、玉ねぎはみじん切りにしておきます。
- フライパンに水分を拭きとったサバを入れて、オリーブ油で焼き色が付くまで両面焼きます。
- サバは焼けたら1度取り出しておきます。
- 同じフライパンの油をキッチンペーパーなどで拭き取り、オリーブ油を足してからにんにくを入れて弱火で香りを移します。
- 玉ねぎを入れて中火で炒め、しんなりしてきたらトマト缶を加えて煮込みます。ホールトマトは手で軽く握り崩しながら入れます。
- 食塩と粉チーズで味を調え、酸味が強いようならば砂糖を加えます。
- サバとブロッコリーを入れて5分ほど煮込みできあがりです。
サバは脂がのっていると美味しいですが、さっぱり食べたい時や焼き魚に飽きてきた時には目先が変わっておすすめです。
トマト缶によっても酸味は違いますが、少し砂糖を入れることで酸味は抑えることができます。特に子供は酸味が苦手なことが多いので、隠し味程度に入れると食べやすくなりますよ。
「生トマト」をつかったおすすめのレシピ
【材料】
トマト 1個
卵 1個
チンゲン菜 1束
水 3カップ(600ml)
中華スープの素 小さじ1
食塩 小さじ1/2
しょう油 小さじ1
【作り方】
- 水を沸かしている間に、トマトはひと口大、チンゲン菜もザクザクとひと口大に切っておきます。
- お湯が沸いたら中華スープの素、食塩を入れて、溶けたらチンゲン菜を入れて2分加熱します。
- トマトを入れてひと煮立ちしたら溶き卵を流し入れ、ふんわりしたところでしょう油を入れてできあがりです。
サッと火が入るものばかりなので、すぐにできあがります。チンゲン菜が冷蔵庫になければ、もやしやニラでも美味しいですよ。
まとめ
「トマト缶」と「生トマト」の栄養価は「トマト缶」の方が高くなります。特に高いのがリコピン、グルタミン酸ですが、それらはトマトの品種や収穫時期の違いから差が生まれました。
「トマト缶」と「生トマト」の使い分けは
「ホールトマト缶」 加熱することで旨味が増すので、煮込み料理
「カットトマト缶」 果肉がしっかりしているので、軽く火を通す料理
「生トマト」 生で食べる料理、またはサッと火を通す料理
になります。
それぞれの特徴が分かると、トマトを使った料理を作る時に迷いませんね。またトマトにも旬があるので、季節によって使い分けるのもいいですね。
ぜひ参考にして、トマト料理を作ってみてくださいね。