カレーの具は煮込む前に炒めたほうがおいしくなる、多くの人が知っている有名な話ですよね。
しかし、炒める理由について詳しくは知らない、という人もいらっしゃると思います。
そこで今回は、カレーの具を炒める理由や炒める順番、炒める時間についてご紹介します。
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カレーの具を炒める理由は何?
そもそもカレーの具って炒めても炒めなくても大して変わらないでしょ?そう思っている方もいらっしゃいますよね?
実はちゃんと理由があるのです!
しかも炒める理由は1つではなく、味に深みを出す、栄養吸収を良くする、煮崩れ防止など複数あります。
甘みを引き出しうま味を閉じ込める
野菜はしっかり火を通すことで、野菜の持つ甘みを引き出すことができます。
中でも玉ねぎは、飴色になるまでじっくり炒めることで、玉ねぎの臭みや辛さを抑え、とても甘くなります。
その甘さが料理にコクを与えることで、より深い味わいのカレーを作ることが出来るのです!
また、野菜とお肉は炒めて表面に火を通すことで、うま味をぎゅっと中に閉じ込める効果があります。
特にお肉は、肉汁が流れ出るのを防ぐことで、食べた時にお肉本来のうま味を味わえます。
油で炒めて栄養吸収率up!
カレーの中に入っている人参には、βカロテンという栄養素が含まれています。
カロテンは体内でビタミンに変化して、免疫力up、美肌、がんの予防など、さまざまな効果をもたらしてくれます。
実はこのカロテン、油を使って調理することによってより効率よく摂取すること可能なのです。
油を使わない調理法と比べてみると、カロテンの吸収率はなんと約4倍!
炒めることで味だけでなく、栄養面でもより優れたカレーにすることが出来ます。
煮崩れを防ぐ
野菜の表面を、しっかり油で炒めておくことで煮崩れ防止につながります。
加熱で野菜の表面が固くなる、炒めた際に野菜が油でコーティングされ、過剰な水の吸収を防ぐことが出来るのが、主な煮崩れ防止の理由です。
カレーを作るときに、じゃがいもが溶けてなくなってしまうのってあるあるな悩みですよね…。
でも炒めてから煮込むことで、じゃがいもも人参もごろごろしたおいしいカレーが作れますよ!
水っぽいカレーになるのを防ぐ
事前に炒めて野菜の水分を飛ばしておくことで水っぽいシャバシャバのカレーになることを防ぎます。
いつも道理に作ったのになぜだか水っぽいな…。
そんなことありませんか?
その理由は野菜に含まれる水分にあります。
実は野菜は同じ種類のものでも、時期(旬なども含む)や鮮度などによって含まれる水分量には差が出てしまいます。
そこで先に炒めておくことによって多すぎる水分を飛ばして、カレーの中に野菜の水分が出てしまうのを防ぐのです。
もし炒めずに直接野菜を煮込む場合には、初めに入れる水分を少なめにして、様子を見ながらあとから足すのをおすすめします。
以上がカレーの具を炒める理由になります。
いかがでしたか?煮込む前に炒めるひと手間でたくさんのメリットが得られることをお伝え出来たと思います!
次は、その効果をより引き出しておいしいカレーが作れるように、どの順番で炒めればいいのかをご紹介いたします!
カレーで炒める順番ってどれがいいの?
全部一気に炒めていいのかな?どの順番で炒めるのが1番おいしくできるのだろう?そんな疑問にお答えしていきます!
まず、食材を一気に炒めるのはNGです!
すべて一度に入れてしまうと鍋の温度が低くなってしまい、中まで火が通らなく、人参やじゃがいもが固い状態のカレーになってしまいます。
では、基本のカレーに使う食材で炒め順を説明していきますね。
油
まず食材を入れる前に鍋に油を入れ熱しておきます。
ニンニクを使う方はこのタイミングで入れて、油にニンニクの香りをつけておくと良いですよ!(すりおろしたニンニクは焦げやすいので煮込むときにいれましょう。)
お肉
次にお肉を焼きます。
お肉は表面に焼き色がつくまで加熱し、お肉のうま味が外に逃げてしまわぬようにしましょう。
!この時に赤ワインを加えると、お肉が柔らかくなる効果や臭み消し、お肉本来の味わいを深くするなどの効果があります!
ある程度焼き色がついたら、一度鍋から取り出します。
取り出さずに野菜を炒めると、お肉に火が通り過ぎてしまい、固くボソボソとした食感のものとなってしまいます。
玉ねぎ
お肉を取り出した後の鍋を洗わずにそのまま使います。
お肉のうま味を含んだ油で野菜をいためることで、よりうま味を感じるカレーが作れます。
玉ねぎを入れたらよく飴色まで炒めます。そうすることでカレーにコクを与えることができますよ。
しかし、飴色まで炒めるのは大変で時間もかかる、もう少し簡単作りたいと感じるときもあるでしょう。
そんなときは、玉ねぎが全体的に透き通ってきて、きつね色になってきたらOKです!
!玉ねぎをあまーくしたい方は弱火でじっくり、玉ねぎの辛みを残したい方は強火ですばやく炒めるといいですよ。
人参
次に固く火の通りづらい人参を入れ、軽く焼き色がつくまで炒めます。
中火で焼くと焼き色がつきやすいですよ。ただ、事前に炒めていた玉ねぎを焦がさないように注意してください!
人参以外にも、固くて火が通るのに時間がかかりそうな野菜を使うときは、このタイミングで入れるといいですよ。
じゃがいも
最後に炒めるのはじゃがいもです。
表面にうすく焼き色がついてきたらOKです!
ただ、じゃがいもは炒めすぎると火が通り過ぎて崩れてしまうので注意しながら炒めましょう。
以上が基本のカレーの炒める順番です。
この他に食材を入れるときは、固く火が通りにくいものから入れる!と覚えておくといいですよ。
カレーで炒める時間ってどれくらい必要?
次に、どれくらいの時間炒めるとよりおいしいカレーを作ることができるのかをご紹介していきます!
食材を炒めるのは表面に火を通すことが目的なので、完全に火を通す必要はありません。
むしろ完全に火を通してしまうと、煮込むときに野菜が崩れる、お肉が固くなり過ぎる等の問題が出てきます。
表面に軽く焼き色が付くくらいがベストです!
玉ねぎ、人参、じゃがいもを炒める時間の合計は、中火で約5分~10分程度です。
玉ねぎを飴色になるまで炒めたい方は、玉ねぎを弱火で15分~20分ほどじっくり炒めてから、他の野菜を5分~10分ほど炒めるといいですよ。
炒め時間や煮込む時間を短縮したい場合には、人参などの固く火の通りづらい食材をレンジで温め少し柔らかくしてから炒めるのがおススメです!
まとめ
炒めてから煮込む、たったこれだけのことでこんなにも違いが出ます。
たしかに時間も手間もかかってしまいます。
しかし!そのひと手間でよりおいしく、栄養面でも優れたカレーを作ることが出来るのです。
みなさんにもぜひ一度、炒めてから作ったカレーのおいしさを体験していただきたいです!