料理のあれこれ

片栗粉の代用にじゃがいもが使えるの?作り方とその他の代用品を知りたい!

「片栗粉が必要なのに、買い忘れてしまった!」という経験はありませんか?
家にあるもので代用できれば、わざわざ買いにいかずに済みますよね。
実は、じゃがいもと片栗粉には「でんぷん」という成分が共通して含まれているのですが、果たして代用は可能なのでしょうか?
今回は、片栗粉の代用にじゃがいもが使えるのか、作り方などをご紹介します!

片栗粉の代用にじゃがいもが使えるって本当?

片栗粉の代用にじゃがいもを使うことは可能です!
じゃがいもから「でんぷん」を取り出すことによって、代用できるようになります。

元々、片栗粉は名前の通り「カタクリ」という植物を原料にしています。
このカタクリの地下茎のでんぷんにより、片栗粉が作られるのです。

江戸時代までは、カタクリを使用した片栗粉が主流で、食用だけでなく滋養にも使われていました。

しかし、次第にカタクリの数が減り、片栗粉は貴重なものに。
その際に、カタクリの代わりに使われるようになったのが、大量生産可能な「じゃがいも(ばれいしょ)」です。

じゃがいものでんぷん粉で作ったものと、カタクリのでんぷん粉で作ったものとで性質が似ていることが判明されたため、じゃがいもがカタクリの代用として主流になりました。

現在でも、市販の多くの片栗粉の原料は、じゃがいもとなっています。

片栗粉=じゃがいものでんぷん粉なので、代用が可能なのです。

しかし、いくら代用が可能とは言え、片栗粉とそのままのじゃがいもでは形状が全く異なります。
用途に応じて、どのようにじゃがいもから片栗粉の代用品を作るか考える必要があります。

片栗粉代用じゃがいもの作り方は?

じゃがいもから片栗粉の代用品として使うためにはでんぷんを取り出します。

少し手間がかかりますが、片栗粉と見た目も中身も同じように使えるので挑戦してみましょう。

でんぷんを取り出すには以下のようにします。

じゃがいもからでんぷんを取り出す方法
  1. ボウルとザルを用意し、セットにする。
  2. じゃがいもをボウルの上ですりおろす(すりおろしたものがザルに落ち、液体がボウルに落ちるようにする)。
  3.  30分~1時間ほど放置する。すると、でんぷんだけ沈殿するので上澄み液のみを捨てる(もし、放置している間に液体の色が褐色になっていたら、上澄み液を捨て、水を足す。この作業を液体が白くなるまで3回ほど行う)。

このようにすれば、でんぷん粉がボウルの底に沈殿しているので、取り出してとろみ付けに使えます。

用途によって、でんぷんを乾燥させるなどもうひと手間必要になります。

用途によって取り出したでんぷんの使い方を変える?!

片栗粉は大変使い勝手が良く、使い道は様々です。

特に有名なのは

  1. とろみ付け
  2. お菓子の材料
  3. 焼き物、揚げ物の衣

という3つの利用法です。

これらの利用法に応じて、代用の作り方を変える必要があります。

じゃがいもで片栗粉の代用! とろみ付けの場合

シチューやカレーなどのとろみ付けの場合は、じゃがいもをすりおろし、そのまま入れるとができます。

とても簡単ですし、そもそも具材にじゃがいもが使われることが多いため、すりおろしを入れても違和感がありません。

栄養価もさらにアップするのでおすすめです。

あんかけの場合は?

ただ、あんかけなどのとろみ付けの場合は、そのままで使うのはおすすめできません。
あんにじゃがいものすりおろしが入っていると、何だか違和感がありますよね。

その際は、すりおろしたじゃがいもから「でんぷん」を取り出して使いましょう!
取り出し方は先ほど説明したとおりです。

すでに水分を含んでいるので、とろみ付けに使う際の水の量に気をつけて使うか、ある程度乾燥させてから使って下さいね。

 

じゃがいもで片栗粉の代用! お菓子の材料の場合

お菓子作りをする際は、厳密に材料を計る必要があります。

そのため、少し水分が含んだ状態での利用はおすすめできません。

例えば、片栗粉で作れるホットケーキやクッキーは、水分量が少し違うだけで仕上がりが変わってしまいます。

お菓子作りで失敗しないためには、じゃがいもから取り出したでんぷん粉をしっかりと乾燥させることが大切です。

取り出したでんぷん粉を乾燥させる方法
  1. 水をしっかり切ったでんぷん粉をバットに広げ、半日から一日かけ、自然乾燥させます。
    この時に、バットにでんぷん粉をそのまま置くのではなく、バット全体にまんべんなく広げると乾燥しやすくなります。
  2. 乾燥が終わったら、塊を崩し、サラサラにさせれば完成です。

少し手間と時間がかかりますが、しっかり乾燥させることによって、市販の片栗粉とほぼ同じような物ができあがります。

じゃがいもで片栗粉の代用! 焼き物、揚げ物の衣の場合

衣として使う場合は、お菓子作りで使う時と同じく、しっかり乾燥させる必要があります。

でんぷん粉を乾燥させないと、べちゃっとした衣になってしまい、しっかりとした焼き色が付きません。

美味しく焼き物や揚げ物を作りたい場合は、手間をかけてでんぷん粉を作りましょう。

片栗粉の代用はその他何でできるの?

片栗粉の代用として使えるものは意外と多くあります。
ご家庭でよく使う粉状のものは、でんぷんが含まれているものが多いためです。

例えば、薄力粉、強力粉、てんぷら粉、コーンスターチは、料理のとろみ付けに代用できます。

しかし、とろみ具合は片栗粉とは異なります。
あくまで「代用」として使えるものだと考えると良いでしょう。

また、お菓子作りの場合は代用を避けるべきです。

それぞれの粉によって仕上がりに差が出るため、お菓子作りのレシピの多くは細かく使い分けされています。

例えば、粉選びを間違ってしまうと、ふんわり仕上がるはずのものが、固くなってしまうこともあります。

それぞれのレシピに適した粉を載せているはずなので、できるだけ代用は避けましょう。

まとめ

じゃがいもでの片栗粉の代用は可能ですが、かなりの手間と時間が必要です。
急いで代用品を使いたい場合は、薄力粉などを使った方が手っ取り早いでしょう。

ただ、じゃがいもからでんぷん粉を取り出すのは中々経験しないことです。
お時間のある時に、試してみるのも楽しいかもしれませんね。