お菓子づくりをする時に「卵を常温に戻しておきましょう。」というのをよく見かけますよね。それなのに忘れることってよくありませんか?そして本当に必要なの?と思ったことはありませんか?ここでは卵を常温に戻す理由や、戻るまでの時間、またその方法についてご紹介します。
Contents
卵を常温に戻す理由は?
お菓子を作る場合、卵のほかにバターも常温に戻しておきましょう、と書いてあることがよくあります。
でも思いつきでお菓子を作る時ほど忘れやすくて、常温に戻さなくてもまぁいいか、と思ったことはありませんか?
ただ、そういう時の出来はいまいちな気が…。
それもそのはず、それは材料同士に温度差があると、美味しく作れないから書いてあるのです!
冷蔵庫から出したばかりの冷たい卵を入れて混ぜると、バターも冷えて固まってしまいます。すると材料に温度差があると上手く混ざり合えずに分離してしまいます。
分離した生地を焼き上げると食感の悪いものが出来上がります。
せっかく作ったのに、ぱさぱさだったりしたらがっかりですよね。
理由を知ると卵を常温に戻すことが大切だったことがわかります。
ただし、メレンゲを作る時は冷たい卵を使います。冷蔵庫から出してすぐのものを使うと、きめ細やかなしっかりとしたメレンゲが出来ますよ。
卵を常温に戻すのにどのくらい時間がかかるの?目安は?
お菓子作りを始める前に1番最初に冷蔵庫から出しておけば、粉を量ったり器具を準備している間に大体は常温に戻ります。
季節や室温によっても常温は変わってくると思うので、夏なら30分程度、冬なら1時間程度で様子を見てください。
触ってみて少し冷たいかも?もしくは冷たく感じない程度になれば、常温に戻ったといっていいでしょう。
室温でいうと常温は15~25℃ですが、お菓子作りでは21~25℃くらいをさしています。
正確に計らなくても大丈夫なので、実際に触って確認してみてくださいね。
卵を常温に戻すのにレンジは使えるの?
まず、卵を電子レンジで加熱するとどうなるか…知っている人は多いと思いますが、爆発します!
これはマイクロ波によって黄身が温められて、熱の逃げ場がなくなり爆発したようになるからです。
あの爆発はなかなかの怖さですよね。振り向いた時には電子レンジ内に白身が飛び散り、掃除のことを考えると、なんとも憂鬱な気持ちになります。
では常温に戻すだけだから、ちょっとだけ温めれば問題ないんじゃない?と思いますよね。
どうしても電子レンジで常温に戻す場合は、耐熱容器に卵を1つ割ってから黄身につまようじなど先の尖ったもので数か所穴をあけます。
そうすると黄身の熱が逃げることが出来て、爆発の危険を避けることができます。
それを200wで様子を見ながら50秒くらい温めると常温になりますが、効率も悪く、もしワット数を間違えてしまうと60℃以上になってしまうので十分に注意が必要になります!!
卵は白身が60℃から、黄身が65℃から固まり始めます。
ですからそれよりも低い温度で温めなければなりません。
冷たすぎてもダメ、温かすぎてもダメ、卵は温度が大切なようです。
レンジ以外で卵を常温に戻すには?
レンジ以外の方法もお伝えします。
- 湯沸かし器で40℃くらいのお湯(お風呂でいい湯加減に感じるくらい)を出します。
- それをボールなどに入れて、卵を10~20分くらいつけておけば常温に戻すことが出来ます。
こちらの方法だと、最初のお湯の温度さえ間違わなければ、短時間放置することも出来るので安心です。
また溶き卵で使用するのであれば、
- 卵をステンレスのボールに割ります。
- 50℃くらいのお湯で5~10分くらい湯煎にかければ、常温に戻すことが出来ます。
こちらの方法だと、みていなければいけないですが、比較的早く温めることが出来ます。
卵を常温に戻したら冷蔵庫に戻してはいけないの?
ところで卵は温度変化に弱く、傷みやすい食材なのは知っていますか?
店頭で売られている時、たいていは常温で売られていますが、これには理由があるんです。
冷蔵庫から出した卵をしばらく放置すると、表面に水滴がつきますよね。
この水滴が気孔という卵の表面にある小さな穴から入ってしまうと、雑菌も一緒に入ってしまう可能性があります。有名なものとしてはサルモネラ菌ですね。
店頭で冷蔵保存されていると、家に帰る前に水滴が卵の表面に現れます。
冷蔵庫と外の温度差があるためです。
そうすると、買ったばかりの卵なのに使う頃には傷んでいるかもしれない、となるので常温で売られているそうです。
ですから、常温に戻した卵はすぐに使い切るようにしましょうね。
まとめ
ついつい忘れがちですが、卵を常温に戻すことでお菓子の仕上がりが変わるのであれば、このひと手間はかけておきたいですよね。
もし忘れてしまったときは、温かくなりすぎないように温度に注意しながら常温に戻しましょう。
また、常温に戻してからゆで卵にすると、卵と熱湯の温度差が少なくなり、ひび割れしにくくなります。試してみてくださいね。